“自己啓発本の王道”と言っても過言ではないくらい各所で紹介されている『嫌われる勇気』。
私が初めて読んだ際の感想としては「内容が難しすぎる!」 「考え方が極端ではないか?」 というものでした。
正直なところ、今でも本書籍の考えが全て腑に落ちているわけではなく、万人受けする内容ではないのでは?とまで思っています。
そんな少し否定的な立ち位置から始まった私から、本書籍の紹介をさせていただこうと思います。
『嫌われる勇気』はどんな内容?
一文で表すならば“対人関係の中で自分らしくあるための考え方”を教えてくれる内容だと思っています。タイトルから誤解される方もいるかもしれませんが、決して「積極的に人に嫌われよう!」という内容ではありません。
本書の中でも、
すべての悩みは「対人関係の悩み」である
とまで述べられています。
そんな対人関係の悩みに対して、『アドラー心理学』という一つの思想・考え方を、“青年”と”哲人”という2人の対話形式で語っており、難しい内容ながら読みやすく書かれています。
こんな人におすすめしたい
過去の出来事から行動できない自分がいる
本書では驚くべきことに“トラウマは存在しない”と明言しており、“行動しないという目的を達成するために、過去のトラウマを持ち出している”とまで語られています。
この考え方を『目的論』と言い、おそらく大多数の人の考え方である『原因論』とは対極に位置しています。『原因論』は“過去にトラウマがあったために、行動できない自分がいる”という考え方になります。
“トラウマは存在しない”とだけ聞くと暴論のように聞こえますが、「過去の出来事に対しどのような意味づけを施すか選ぶのは自分」、「今、行動しない選択をしているのも自分」と言い換えられると、私は少し腑に落ちた面がありました。
本書では“過去にとらわれない生き方”、つまり“今を生きる”ための考え方を教えてくれます。
『目的論』は理解が難しく、受け入れ難い考え方ではあると思いますが、興味が湧いたという方はぜひ本書を一読することをお勧めします。
他人を気にしすぎて悩むことが多い
本書の軸であろう“対人関係の悩み”についてです。特に、“他人との比較による劣等感”、“他人の言動から来る悩み”を頻繁に感じてしまう方におすすめしたいです。
私個人としては以下の文章が印象的であり、耳が痛い内容でもありました。
対人関係の軸に「競争」がある限り、対人関係の悩み、悩みによる不幸から逃れられない
対人関係のトラブルは「他者の課題に土足で踏み込むこと」によって起こる
例として、“会社や学校で優秀な人と比較してしまう”、“後輩や子供に注意しても言うことを聞かない”、“友人が約束を守ってくれない”というような内容がピンときやすいかなと思います。
また、SNSが発達した現代においては、“他人のキラキラした生活と比較することによる劣等感”、”他人の誹謗中傷による苦しみ”、”悲痛なニュースによる気分の落ち込み”などにも、思い悩む場面は多いのではないでしょうか?(本書ではSNSについて明言されておりませんが、現実の対人関係と”同等”か”それ以上”に悩む方も多く、どちらも対策するべきであると考えています。)
そんな対人関係の悩みに対し、『課題の分離』という考え方を本書では紹介しています。「自分の人生において己が信じる最善の道を選ぶこと。その選択に他者がどう判断を下すかは他者の課題であり自分ではどうしようもないこと」と述べられており、また「その選択による最終的な結果は誰が被るのか?」を考えよとも述べられています。(これは私なり短くまとめただけであり、本文ではかなり詳細に記載されています。)
つまり「他者の課題に介入せず、自分の課題に他者を介入させない」ということになります。
簡単に説明しましたが、『課題の分離』を実践するのは非常に難しい内容であると思っています。環境にも大きく左右されるでしょうし、そこまで自分の意志を強く持てないという方もいるかもしれません。私自身も「こんなことは持ってる側の人間だから言えることじゃないか?」とも薄っすら思ってしまっています。
ただ、完璧でなくとも私生活に少しずつ『課題の分離』の考え方を取り入れる、“環境を変える”という方法を取ることは有用であり、実践可能であるとも考えていますので、少しでも取り入れていただくことができたらと思います。(私の例にはなりますが、私生活において、”仕事のタスクをこなしている際”や”何かに思い悩んでいる際”に、「これは誰の課題か?」を自問自答するようにしています。また、環境の面では職場を変える、親元を離れる、SNSをやめる等は他者の影響を受けない環境作りという点で良かったと思っています。)
私の解釈ベースにはなりましたが、『課題の分離』についてもっと知りたいという方は本書を読んで感想をいただきたいです。もしかしたら私とは異なった解釈や印象を受けるかもしれません。
感想
記事の初めにも述べたように、本書の率直な感想としては「内容が難しい」「考えが極端」「綺麗ごとじゃないか?」のような否定的なものばかりでした。何度も読み直した今では、自分なりの解釈をし、私生活で多少は実践することができていると実感していますが、それでも『アドラー心理学』の入り口にすら立てていないような気がしています。(なんなら今でも綺麗ごとじゃないか?と思ってしまう節があります…)
本書はそれくらい人生に深く根付く考え方が提唱されており、時間をかけて取り入れていく必要があると考えています。また、読み返すたびに新たな発見や解釈が生まれ、人生で迷ったときの指針にもなってくれる本であるとも思います。
最後に🦝
最後まで本記事を読んでいただきありがとうございました。
おすすめポイントに記載してある内容は私なりの解釈であり、本書のごく一部の内容でしかなく、本書を読んだことがある方は異なった解釈を持つかもしれません。(私が全て理解しきれていないというのもありますが…🦝)
本書を読んだことがない方には、少しでも興味を持つきっかけになっていれば幸いです🦝
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